✦ 占星用語集

逆行

地球から見て惑星が逆向きに進むように見える現象。占星では振り返りや遅延、再検討と結びつく。 水星の逆行が有名ですが、金星や火星、木星などもそれぞれの周期で逆行します。

2026年の逆行期間
スイス・エフェメリスから算出した2026年の水星・金星・火星の逆行期間。

どんなものか

逆行(レトログレード)とは、地球から見て惑星が黄道を逆向きに動いているように見える現象だ。実際に惑星の方向が逆になることはない。みんな同じ向きに太陽の周りを回り続けている。見かけの逆行は相対速度から生まれる。地球がゆっくりな外惑星を追い越すとき、あるいは速い内惑星が地球を追い抜くとき、相手の天体は止まり、後退し、また止まり、そして前進に戻るように見える。高速道路で遅い車を追い越すときに、相手が後ろ向きに転がっているように見えるのとまったく同じだ。

占星術では、この後ろ向きの見かけを、惑星のエネルギーが内側に向く状態と読む。新しく始めるより、見直しの時期だ。周期は惑星によって違う。水星は年に三、四回、一回およそ三週間。金星は十八か月ごと、火星はおよそ二年ごと。外惑星は毎年何か月も逆行する。太陽と月だけは決して逆行しない。

読み方

逆行には二つの形がある。ネイタルの逆行は、生まれたときに惑星が逆行していた状態で、そのエネルギーがより内側に働くと読む。水星逆行の人は、口に出す前に考えを何度も見直す。よく知られるのはトランジットの逆行で、今空にある惑星が方向転換するケースだ。占星師は弧全体を見る。惑星は速度を落として留(ステーション)に入り、後退し、また留まり、同じ度数を二度、三度と通過する。このシャドウ期間と三重通過のところで、テーマが現れ、強まり、最後に落ち着く。

読みは惑星の担当領域に従う。水星逆行ならコミュニケーション・旅行・契約。金星は人間関係と価値観を見直し、火星は行動力と怒りを内側へ向け、外惑星の逆行は長期構造を作り直す。つまり逆行は、始まりとピークと出口を持つ一つのサイクルとして見るのが適切で、一つにまとめたイベントではない。

実際の意味

いちばん大きな誤解は、逆行="三週間全部がうまくいかない"というもの。実際にはギアチェンジだ。惑星のエネルギーが、外向きの行動から見直しへと切り替わる。水星逆行が新しい製品の発表や、ちゃんと読んでいない契約書へのサインに本当に向かないのは事実だが、編集、連絡の再開、始めたことの仕上げには絶好だ。そして逆行は珍しくも恐ろしくもない。どの瞬間でも、だいたい三つから五つの惑星が逆行しているし、外惑星は一年の半分近くを後ろ向きに見えている。

他の要素との関係

逆行はトランジットの特別な形だ。すでに通った度数を逆にたどる惑星は、トランジットのテーマを引き延ばし、繰り返す。アスペクトの条件でもある。逆行中の惑星もコンジャンクション、スクエア、トラインを作る。ただ、風味がより内向きになるだけだ。水星逆行は最短の周期で巡り、金星と火星の逆行はもっとゆっくりした間隔で来る。ネイタルチャートでは、逆行はその惑星の働き方についての一つの事実にすぎない。チャートに貼り付けられた呪いではない。